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千葉 敦也; 齋藤 勇一; 鳴海 一雅
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.343 - 345, 2006/01
高速度領域におけるクラスターイオン照射では、媒質に与えるエネルギー密度は莫大なものとなり、ミクロな領域に高温度・高圧力状態が形成される。これはクラスターの持つ幾何学的構造やその構造体の媒質への入射角度に依存すると考えられ、照射するクラスターイオンの構造及び角度を把握することが、クラスターの衝突反応メカニズムの解明と言った基礎物理研究はもちろん、革新的表面加工技術の開発や新材料創製などの応用的研究に繋がると期待される。そこで、本研究では、高速クラスターイオンの幾何学的構造及び入射角度の測定技術の開発を行っている。今回は、炭素クラスターについて、その構造により違いがあるとされる薄膜透過後の構成原子の電荷分布を、CEI法を応用して測定した。
千葉 敦也; 齋藤 勇一; 田島 訓
第17回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.89 - 92, 2004/00
現在、われわれの施設では構成原子数の比較的小さな8種類のMeV級クラスターイオンが加速可能になっており、クラスターイオンと物質との相互作用をはじめとする、MeV級クラスターイオンの照射効果や基礎的な衝突現象が徐々に解明されつつある。高速度領域における重イオンの激しい衝突効果はさまざまな計算や実験から実証されてきているが、原子が複数個結合したクラスターイオンでは、その衝突現象を解明するためには入射原子同士の相互作用など集団的振る舞いも考慮する必要があり、より複雑になる。重イオンが物質と衝突する際、核的であるか電子的であるかといった部分に限っても、単原子イオンの場合は、そのイオンの速度により大別できるのに対し、クラスターイオンの場合は速度に加え、構成原子数,幾何学的構造やその構造体の物質への入射角度なども考慮しなければならない。そこで、幾何学的構造の選定と入射角度の制御を目標とした技術開発を行っていく必要がある。今回は究極の目標に向けての足がかりとして、クラスターの構造や入射角度などの同定を視野に入れ薄膜を通したクラスターイオンの動向と薄膜透過後の平均電荷の計測を試みた。平均電荷測定では、計算理論値とほぼ同様な傾向を示すことを確認した。